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あるけ あるけ

その他 短編集など

・蜜柑と月 谷村志穂 角川書店

深夜の物語ばかりの5つの短編集。
一番印象に残ったのは、タイトルにもなっている「蜜柑と月」
一人の女と2人の男が深夜に出会い、一緒に暮らし始めるまでの話し。
オンナは元アナウンサーで、オトコ達は泥棒。とても優しい話だった。

他の4編もどれもとても静かで、優しい物語ばかりだった。



・もしも私が、そこにいるならば 片山恭一 小学館

これも短編集。3作。
表題の「もしも私が・・」は亡くなった母の昔を娘が振り返り、
別の母を発見する話。母を思い続けていた男を知り、
そして海で事故死した母を「もしかしたら事故ではないのでは」という思いを抱く。
母の思いを静かに見守る父、がとても素敵。

印象に残ったのは次の「鳥は死を名づけない」
病院の同じ部屋に入院しているオトコ2人の話。
「人間は鳥たちのように何気なく死んでいくことは出来ない。
鳥は死を名づけない。たしかにそうだ。
それを「死」と名づけたことが、あらゆる恐怖と不安の始まりだった。
だが同時に人間は、そのとき「愛」のようなものを
発明したのではないだろうか。
避けられない死を乗り越えるために。」



・いつか記憶からこぼれおちるとしても  江國香織 朝日新聞社(04.3)

高校生のお話。いくつかの短編で主人公が違うのだけど、
みんなそれぞれに個性的。
この時代特有の思いっていうのかなぁ、みんなと同調したり、反発を感じたり。
そんなものを沢山感じた短編集でした。

「自分でも驚いたのだけれど、あたしはそのプレゼントがすごく嬉しかった。
すごくすごく嬉しくて、ばかばかしいくらいに胸にしみちゃって、
あたしはこんなに一人ぼっちだったのかって思った」
(「テイスト オブ パラダイス」より)



・デッドエンドの思い出  よしもとばなな 文藝春秋(04.3)

著者本人が「これを書けて満足だ」と言っていたのでとても期待して読んだ一冊。
うーん、どれもよかったけれど、
私はもっと衝撃的にいいのかと思って期待しすぎていたのかも。
もう一度、じっくり読みたい。
この人の作品は、読むときの自分の気分がとても反映されるので、私の場合。



・とるにたらないものもの 江國 香織 集英社(04.4)

著者の「こだわりのもの」達についての話。


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